知的財産

著作権保護期間延長の議論

私は、著作権保護期間延長には公益性があまりないと考え、反対の立場です。

とくに、今回のシンポで平田オリザさんが指摘していたような、二次的利用に際し、著作権相続人のたった一人でも反対すれば利用できなくなるような状況は、大変好ましくないと考えます。

リンク: ITmedia News:著作権保護期間は延長すべきか 賛否めぐり議論白熱 (1/3).

著作権保護期間は延長すべきか 賛否めぐり議論白熱 (1/3) 作者の死後、著作権は何年間保護するべきか――こんな議論が盛り上がっている。クリエイターの創作意欲を高め、文化を発展させるためには、現行の50年のままでいいのか、70年に延長すべきか。それぞれの立場で議論が行われた。 2006年12月12日 16時18分 更新

それにしても、このITmediaの記事は非常に秀逸です。
多分、記者も著作権延長には反対なのでしょうが、それを表には出さず、賛成派の漫画家の松本零士さん、小説家の三田誠広さんの筋の通らない発言を巧く掲載し、賛成派のDQNぶりを晒すことに成功しています。

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インクカートリッジ訴訟、キヤノンが逆転勝訴

リンク: ITmediaニュース:インクカートリッジ訴訟、キヤノンが逆転勝訴.

2006/01/31 19:24 更新


インクカートリッジ訴訟、キヤノンが逆転勝訴
キヤノンの使用済みインクカートリッジにインクを詰め直して販売する業者を、キヤノンが特許権侵害で訴えた裁判の控訴審判決が、知財高裁であった。

 自社のインクジェットプリンタの使用済みカートリッジにインクを詰め直した製品が自社の特許を侵害しているとして、キヤノンが同商品を輸入販売している業者をを相手取って販売差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決が1月31日、知的財産高裁であった。
 篠原勝美裁判長は、リサイクル商品がキヤノンの特許権を侵害していると認め、商品の輸入・販売差し止めと製品の廃棄を命じるキヤノン逆転勝訴の判決を言い渡した。

 訴訟は、キヤノン製品のリサイクル品を中国から輸入し、販売している「リサイクル・アシスト」(東京都豊島区)を相手取り、キヤノンが提訴した。一審の東京地裁判決は、新品のカートリッジが販売された時点で特許権が消尽しているとして侵害を認めず、キヤノンの請求を棄却。キヤノンが控訴し、知財高裁は裁判官5人による大合議で審理していた。

 控訴審でも特許権の消尽が争点になった。控訴審判決では、対象となる製品のうち、特許の本質部分を構成する部材の全部か一部について加工・交換が行われた場合、販売後ももはや同一の製品とは言えなくなるため、特許権は消尽せず、特許権者は権利行使が可能だとした。

 その上で、業者が輸入販売しているカートリッジは、キヤノン特許の本質部分について加工・交換していると判断。キヤノン側の特許権行使を認め、業者に輸入販売禁止と製品の廃棄を命じた。


非常に興味深い判決です。
リサイクル品が製品の特許権を消尽しているか否かの判断が問われた裁判でした。

いろいろなニュースがこの判決を報道していますが、この記事がもっとも本質に関わる内容になっていました。

ポイントは『対象となる製品のうち、特許の本質部分を構成する部材の全部か一部について加工・交換が行われた場合、販売後ももはや同一の製品とは言えなくなるため、特許権は消尽せず、特許権者は権利行使が可能』というところにあります。

キヤノンのインクカートリッジを買った人がそれをそのまま他人に譲渡する場合は、すでに特許権は消尽していますが、そのインクカートリッジの容器を使って同一の機能の持つリサイクル商品を作って売った場合は消尽したことにはならず、特許権を侵害するということです。

地裁の判決だと、第三者が容器も自分で作って、同一機能の商品を売った場合は特許権を侵害しますが、容器はキヤノンのものを利用してインクを詰め替えて売った場合は特許権を侵害しないということになっており、特許権者にとって自分たちの製品の空容器が競合相手ということになる形になっておりました。

それでは、容器に様々な発明を加えていこうという意欲を殺ぐものであり、特許法第一条の趣旨に反すると言わざるを得ませんでした。
ゆえに、今回の判決は妥当と思います。

ただ、トナーカートリッジの価格が高すぎるのも事実です。プリンターメーカーのレックスマークのアニュアルレポートを調べたことがありますが、営業利益の半分がトナーなどのサプライ品であり、製品よりもサプライ品で儲けるビジネスモデルが明確です。

ランニングコストを考えると、サプライ品の安いブラザー、機種としてはレーザープリンターがお得というのが、2chなどのもっぱらの評判です。

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逆説のTVとネット融合ビジネス

リンク: Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 番組連動のネット通販開始へ、TBSが電通と共同で.

経済総合ニュース - 10月24日(月)12時56分 ニュース記事写真動画トピックス 条件検索


番組連動のネット通販開始へ、TBSが電通と共同で

 TBSは24日、電通と共同して、地上デジタル放送で番組と連動したデータ放送を制作すると発表した。

 リモコン操作だけで、インターネットを通じて、ネット通販大手アマゾンジャパンのサイトから、番組で取り上げた書籍やデジタル多用途ディスク(DVD)を購入できる仕組みだ。11月から実証実験を始める。

 新サービスは地上デジタル放送の双方向性を活用するもので、パソコンや携帯電話がなくても、購入層の拡大が図れるとしている。

 


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アマゾンの1-Click特許に関する裁判

アマゾンの「1-Click」システムに暗雲?--米個人企業との特許裁判で - CNET Japan

アマゾンの「1-Click」システムに暗雲?--米個人企業との特許裁判で Anne Broache (CNET News.com) 2005/10/05 15:54 Trackback (1)


 ワシントン発--連邦控訴裁判所が、Amazon.comのよく知られた「1-Click」支払いシステムについて、他社が取得した電子商取引に関する特許に抵触する可能性があると示唆した。

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タカラ、竜の子プロを買収

リンク: NIKKEI NET:企業 ニュース.

タカラ、竜の子プロを買収・玩具や映像配信に活用  玩具大手のタカラはアニメーション制作の老舗、竜の子プロダクション(東京都国分寺市)を買収した。竜の子プロは「科学忍者隊ガッチャマン」「みなしごハッチ」など人気作品を多く手掛け、作品の9割以上の権利を自社単独で保有する。タカラは制作会社を傘下に置き、著作権確保などキャラクタービジネスの基盤を強化する。

 タカラは6月30日付で竜の子プロの株式88%を取得した。取得金額は十数億円とみられる。同プロのオーナーである吉田健二会長と吉田豊治社長は7月1日付で退任、成嶋弘毅専務が社長に昇格した。取締役5人のうち3人に佐藤慶太タカラ会長などタカラ役員が就いた。


うーん、この買収は高いとみるか、安いとみるか。
私は高い買い物、というかムダ金使いに思えます。

というのも、買収金額が割安なら、タカラでなくてもバンダイなどの他社がより高い金を提示したことでしょう。吉田一族としては金が欲しかったのであり、より高い金を提示してくれる先を選択すると考えるのが当然です。

買収金額が10数億円ということは、割引率10%程度で考えると期待される毎年のキャッシュフローは1億数千万円。しかし、それだけのキャッシュフローを生み出すには、買収金額以上の追加投資が必要です。

今まで投資の失敗を繰り返してきたタカラにうまくできるのでしょうか。

さらに、気になることは、抵当権設定の有無です。

竜の子は、ずっと前から経営不振が続いてきました。銀行から金を借りられるものは何でも担保に入っていると考えるのは自然です。
そして、それは知的財産権である版権も例外ではないでしょう。


とはいえ、短期的には株価にはプラスの影響があるでしょう。しかし、これこそ大いなるひっかけ、下手に手を出すと大怪我をしそうです。

タカラ(やトミー)に手を出すのは、今年のクリスマス商戦を見極めてからでも遅くないと、私は思っています。

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中国の知的財産権侵害

中国偽造品GDP8% 知的財産保護 当局は口だけ 米公聴会報告

 【ワシントン=古森義久】米国の議会と政府が合同で組織している「中国に関する議会・政府委員会」は十六日、中国の知的財産保護についての公聴会を開いた。証人の専門家たちからはいまの中国が世界の歴史でも最大規模の偽造品の製造と輸出を続け、中国の国内総生産(GDP、一兆六千五百億ドル=二〇〇四年名目ベース)の8%(千三百二十億ドル相当)が偽造品による、などという実情が報告された。

(産経新聞) - 5月18日2時49分更新

やはり実態はかなり酷いようです。
以前にも書きましたが、蝋筆小新(クレヨンしんちゃん)の例など、日本企業もやられています。

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ドクター中松敗訴

ドクター中松氏敗訴確定 「がんばれ日本」商標

 「がんばれ日本」の文字を含む商標を持っていた発明家のドクター中松こと中松義郎さんが、登録を取り消した特許庁の審決取り消しを求めた訴訟で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は12日、中松さんの上告を受理しない決定をした。中松さんの請求を棄却した東京高裁判決が確定した。
 商標は「印刷物」を指定商品として登録されていたが、高裁判決は「商品とはいえない会報にしか使っておらず、登録前の3年以内に使用があったとはいえない」として、特許庁の判断を相当とした。
(共同通信) - 4月12日19時38分更新


まず、妥当な判決だと思います。
もし、「がんばれ日本」の商標が印刷物を指定商品として登録されたなら、新聞・雑誌や各種シールなどで「がんばれ日本」と記述があるものは全て中松氏の商標権に抵触してしまいます。使用権料を彼から要求される可能性があり、自由な使用が阻害される恐れがありました。

それにしても、地道に発明をするのではなく、他人が使いそうな商標を先回りして登録し、使用権料を要求しようとは、何ともセコイやり方だと思います。これまでにも、

  • 徳島県山城町(現・三好市)による「児泣き爺」登録申請→登録(登録番号 登録第4607267号)
  • タカラによる「ギコ猫」登録申請→2チャンネルで大問題化、タカラは取り下げ
  • 中華人民共和国での「蝋筆小新」(クレヨンしんちゃん)商標登録→双葉社など日本の権利者と何ら関係のない第三者が登録、本物のライセンス商品が商標権侵害として売り場から撤去される事態になっている

などがありました。

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続・青色LED裁判

今朝、テレビ朝日の番組でテリー伊藤さんが青色LED裁判について発言していました。
しかし、発明者である中村氏に対し、作家の印税の例をあげ、発明の貢献認定5%は印税の平均10%に比べると少なすぎると述べていましたが、ピントはずれな印象を受けました。

もし、著作権の印税の例にあげるなら、中村氏は著者ではなく、ゴーストライターに該当すると思います。中村氏は、特許を受ける権利を会社に譲渡しており、特許権は会社に帰属しております。これは報酬をもらって、他人の代わりに本を書き、著作権はその人に譲渡しているゴーストライターに対応すると考えられるのです。

著書が評判になり、重版を重ねて売上が増えても、ゴーストライターに印税が入ったりはしないでしょう。

また、ゴーストライターと似ている点がもう一つあります。ゴーストライター自身は、自分の著作を他人に譲渡しない選択も可能です。その場合、自分の著作として著作権を行使することができます。ただ、その場合はあまり売れないため、結果的にはあまり印税が入らないかもしれません。

同様に、発明者も特許を受ける権利を会社に譲渡しない選択もあります。特許法35条の反対解釈として、会社が職務規定などにより社員から特許を受ける権利を強制的に譲渡させることはできないというのが、通説になっています。中村氏自身が特許権を取得し、事業化する選択もありましたが、資本力がなく、営業力もなければ600億円(地裁で中村氏の貢献分と認定された額)という収益を手にするほどのビジネスに成長したとは考えにくいと思います。

だから、最後に問題となるのは、適切な報酬の金額です。
前にも書きましたが、発明を奨励するという公益性を実現し、リスクを取っている株主などの他の人々の利益にも適う金額に落ち着いたと、思っております。

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青色LED裁判

■中村裁判 和解
 青色LED訴訟、総額8億4000万円支払いで和解・東京高裁
 青色LED訴訟:中村教授、和解額「納得していません」
 8億4千万円、経団連会長「常識的」
 青色LED訴訟和解、知財立国実現で大きな一石を投じた=官房長官

大幅減額で和解が成立しました。
確かに、発明者自身は実用化や設備投資、販路開拓など、ファイナンス面で大きなリスクをとっていないにもかかわらず、過大な報酬が得られるとすれば妥当性を欠くことになります。

コーポレートガバナンスの観点にたつと、会社は株主のものです。株主にしてみると、発明の生み出すキャッシュフローを期待して投資をしてきたのですが、発明者である社員の取り分が未確定のまま後になって非常に大きな額を要求されるとすれば、投資に対する見通しが大変困難なものになってしまうでしょう。

一審では、青色LEDによる日亜の得た利益を1200億円と評価し、そのうちの50%の600億円強を中村氏の貢献度と認定いたしました。ということは、日亜の株主は1200億円のリターンを期待して投資し、それに見合う形で株価が形成されていたのに、半分を持っていかれることにより当然株価もそれに見合う額に(他の事業もあるので半額とはなりませんが)なってしまうということです。

こういうことが頻繁におこるようでは、株式投資などおちおちやっていられない、と個人投資家の立場では考えてしまいます。発明者を報償し、発明を盛んにするという公益性は特許法の基本的精神であり、多いに賛同するところではありますが、株式市場の健全なる発展という別の公益性を損ねるのは、本末転倒だと思わずにはいられませんでした。


その点、今回の高裁での和解は、貢献度を評価した上で、まあ妥当なレベルだったように思います。

もっとも、中村氏自身がその後の販路開拓や量産化、銀行などからの資金調達などに貢献していれば、もっと貰っても当然だったかもしれませんが。

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著作権法改正について

著作権法が一部改正され、2005年1月1日から施行されました。
今回の改正の主たる内容は、

1.国外頒布目的商業用レコード(日本販売禁止レコード)の還流防止措置、
2.書籍・雑誌の貸与について貸与権の対象としないとする経過措置の廃止、
3.著作権等侵害についての罰則の強化、
の3点です。

1は、いわゆる逆輸入対策です。
背景には、最近の日本文化に対する海外とくにアジアでの関心の高まりと、それをビジネスチャンスと捉える業界の思惑があります。特許法における国際消尽(例:BBS裁判)と関連性のある内容といえるでしょう。

今回の改正がなければ、例えばアマゾンなどのオンラインショップが、海外版のCDを安く、日本国内居住者に販売することが可能でしたが、今後は発売から数年(政令で定める、最長7年)以内のCDで、日本国内への販売を許諾しないことが明記されているものは販売できなくなりました。

ただ、根本的な問題は、日本国内向けのCDが高すぎることにあり、それを放置しても根本的な解決にはつながらないと思います。

2は、いわゆるマンガ喫茶対策です。
最近、マンガ雑誌の部数の減少が止まりません。かつて100万部あったといわれるモーニングも50万部程度にまで減少しています。単行本も売れなくなってきました。一方、巷ではネットや昼寝のできる24時間営業のマンガ喫茶が増えてきました。

収入が減って厳しくなった出版社やマンガ家としては、なんとかマンガ喫茶から金を取りたいと運動してきました。

本当は、マンガ喫茶が原因ではなく、デフレで所得が減少している中で、携帯やネットの普及により、マンガというメディアに対し消費者が時間と金をかけなくなっていることが大きいと思います。

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