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電動アシスト自転車:エナクルの競合他車との比較優位性(その3)

電動アシスト自転車:エナクルの競合他車との比較優位性電動アシスト自転車:エナクルの競合他車との比較優位性(その2)の続きです。


3.効率的
エナクルは前輪ハブモーターがダイレクトに車輪を動かすので、モーターと車輪の間にチェーンを介するPASやVivi、ハリヤなどの他の電動アシスト自転車と比較して、効率的に走ることができます。

カタログデータから、凡その効率は推定できます。

エナクルSN263DK PASリチウム
電圧(V) 24 25.9
電流・時間(Ah) 2.8 3.7
蓄電量(Wh) 67.2 95.83
航続距離(km) 28 34
1Wh当り航続距離(m) 417 355
効率(対PAS比) 1.17 1


例えば、同じ26インチで比較すると、エナクルの電池は24V-2.8Ahつまり67.2Whの蓄電量ですが、PASリチウムの電池は25.9V-3.7Ahつまり95.83Whの蓄電量です。それぞれ、標準モードでの航続距離はカタログ上28kmと34kmとなっています。
ということは1Whあたりの走行距離はエナクルで417m、PASは355mであり、エナクルはPASの1.17倍効率的です。


この効率の差は、モーターの運動を直接自転車の前進に活用するエナクルに対し、PASはモーターと車輪の間にチェーンを介しているため、チェーンと歯車の摩擦でどうしてもエネルギーのロスが発生してしまうことに起因します。

効率を上げるなら、チェーンでなく、前輪ないし後輪のハブにモーターを装着する方が良いのは当たり前です。実際、ヤマハは電動スクーター分野では、後輪ハブモーター方式のEC-02、Passol-Lを売っていました。(9月18日に発売中止になってしまいましたが
また、PAS自体、古いモデルは後輪ハブモーター方式でした。

EC-02
[写真:電動スクーターEC-02]


正直、効率を下げてまでセンターモーター方式に拘る理由がよくわかりません。
電池をニッケル水素からリチウムに替えて、見かけ上の航続距離を伸ばしたところで、17%の開きがある効率が改善するわけではないでしょう。

世の中は「チーム-6%」など、京都議定書の公約となっている二酸化炭素の排出量削減に躍起になっているというのに、随分、のんきな話だと思います。

まあ、それでも乗用車から電動アシスト自転車に乗り換えることを考えれば、PASもエナクルも物凄く効率的であり、環境負荷も少ないと言えますが。


ついでなので、試算してみました。

東京電力によると2006年度のCO2排出原単位(kg-CO2/kWh)は0.339。

充電ロスを考えずに、エナクルとPASのバッテリーを満充電にすると、それぞれ二酸化炭素排出量は22.78gと32.47gになります。

航続距離をもとに、1km走行当りの二酸化炭素排出量を求めると、エナクルは0.81g、PASは0.95gです。

一方で、乗用車(ガソリン車とディーゼル車の加重平均)のCO2排出量は、都内の移動などで一般的な平均時速20kmでは、1km走行当り221gに上ります。(参考データ

つまり、エナクルは1/272、PASは1/231のCO2排出量であり、非常に環境負荷が低いといえます。

これまで、自動車で移動していた近距離交通、例えば幼稚園の送り迎えや買い物などを、電動アシスト自転車に切り替えれば、環境に非常に良いというわけです。


※だったら、電動アシストじゃなく、非アシストの自転車に乗れば、というのは聊か短絡的な発想です。坂が多かったり、距離が長かったりして、従来は非アシストの自転車では移動に困難があったため、乗用車を利用していた人が電動アシストを使うことによって環境負荷が非常に減る、という話です。念のため。


まあ、乗用車よりは遥かに環境に優しい乗り物ですが、その中でもエナクルの方が、競合他車よりもさらに環境に優しい、ということは言えるでしょう。

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