エナクルのドロヨケ
私は、タイヤの空気圧は高め、500から600kPaくらい入れるのが好みです。標準空気圧は300kPaですので倍近い圧ですが、タイヤの転がり抵抗が低く、スピードが出るし、電池の持ちが良くなるので、もっぱら高めの圧にして走っています。
しかし、空気圧を高めにすることにはデメリットもあります。
- バーストしやすくなる
- タイヤやチューブの寿命が短くなる
- タイヤによる衝撃吸収が少なくなり、衝撃が車体や乗り手に来る
とくに三番目の「衝撃が車体や乗り手に来る」点が、ドロヨケと関連して問題になるところです。
路面のちょっとした段差を越えるたびに、激しい衝撃でドロヨケなどの車体後部から「ガシャーン」という音がきます。それは段差を上るときよりも、下りるときに顕著です。
また、空気圧を高めに入れることで、タイヤは少し膨張します。同じ距離を毎日測っているサイコンの距離の変化から推定すると、300kPaと600kPaでは周長で1.5~1.8%分、27インチタイヤの半径で5mmは長くなります。それにより、タイヤとドロヨケが干渉しやすくなります。
衝撃がドロヨケに伝わりやすい上に、タイヤとドロヨケの間の距離が短くなっているとどうなるか。
最悪、タイヤとドロヨケがぶつかり、壊れてしまう危険性があります。
そして、残念ながらその最悪のことが、私の自転車でおこってしまいました。
ちょっと前に湾岸道路の歩道を走っていたときのことです。誰も歩いている人も他の自転車もいないので、思い切り踏み込もうとしたときのことでした。歩道が一部切れて、1,2cmの段差を下りる所がありました。段差を下りた瞬間、いつものようにガシャーンと衝撃が来たのですが、いつもと違っていたのは後輪がロックしてスリップしたことでした。
落ち着いて自転車を止めて確認すると、後ろのドロヨケの端っこが後輪の12時のあたりに突き刺さり、無残にも折れ曲がって縮んでいたのです。
事故直後の写真です。ドロヨケは後輪の12時あたりまできていましたが、タイヤを回して少し戻したところです。
ドロヨケはぐちゃぐちゃでした。
とくに、後部の支柱と接続しているネジの足がタイヤにひっかかったようでした。
まあ、自分も誰も、また自転車以外の何物も傷つかなかったのは不幸中の幸いでした。
で、この事故の修理で、サンヨーさんに10日くらいかけて直してもらったのが、最近自転車が使えなかった顛末でした。
さて、サンヨーさんに直してもらった自転車でしたが、やっぱりドロヨケとタイヤの干渉の問題は全然解決していませんでした。
標準の空気圧のときはそれほど深刻ではない両者の干渉も、いつものように高圧の空気を入れるとかなり接近してヤバい状態になりました。
とくにきついのが右後方側面で、メジャーの先が入らないほどです。ドロヨケとタイヤとの間の間隔はエナクルのカギを2本重ねて入るか入らないかで、5mm以下でした。
このままでは早晩事故をおこしかねませんが、サンヨーのサポートに直してもらってこの状態ですので、どうしようもありません。
勿論、タイヤの空気圧を下げて標準圧力の300kPa程度にすれば、タイヤが縮んでドロヨケとの距離が5mmは拡大するでしょうし、衝撃も伝わりにくくなるという解決策もあるにはあります。しかしながら、毎日それなりの距離を自転車で走り、その上結構なスピードを出して快適に乗りたい自分としては、空気圧を下げるという解決策は選びたくありませんでした。
で、結局、私が選んだのは、ドロヨケの支柱をかさ上げし、タイヤとの距離を離すことでした。
もともとは後輪ハブ軸にまとめて締められていたドロヨケの支柱を外しました。かわりに、トピークのチャイルドシートのベース部分を取り付け、その先にドロヨケの支柱をつけました。
これによりドロヨケの取り付け位置は3cm程度上にあがり、タイヤとの間隔も2cm程度確保されました。
今でも、段差を下りるときは以前よりも慎重に下りていますが、安心感は格段に向上しました。
空気圧を高め、転がり抵抗を低くし、思い切り走れるようになったので、またエナクルを楽しむことができるようになりました。
エナクルに限らず、電動アシスト自転車のパワーを効果的に使い、電池の消耗を減らし、航続距離を伸ばすため、空気圧を高めにしておくことは強く強く推奨されている半ば常識といっても過言ではありません。
でも、エナクルSRで快適に走りたい方は空気圧を上げる際は、タイヤとドロヨケの干渉にご用心、です。
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